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メンテナンス技術者から見た業務用食器洗浄機の選び方
今や厨房機器の必需品となっている業務用の食器洗浄機ですが新品で購入するとなると50万円程度の導入費用が必要となります。でも人件費に比較すると断然コストパフォーマンスが高いので現代の厨房には必須となっています。手洗いだと1時間にせいぜい200枚程度ですが業務用食器洗浄機を使えば400~1000枚ほどのお皿が洗浄できるそうです。ではいろいろなメーカーや機種が出ていますがどれを選べばいいのか今回は業務用食器洗浄機のメンテナンスを長年やっている技術者にポイントを聞いてきたのでお伝えします。
業務用食器洗浄機の種類
業務用食器洗浄機にはガス式と電気式がありますがガス式でも電気は必要となります。


アンダーカウンタータイプ
カウンター内に設置できるよう高さが800mmになっています。代表的なのはホシザキさんのJWE-400TUBです。こちらは100Vタイプと三相200Vタイプがあります。食器の出し入れに中腰となるため作業の負担が考えられます。


小型ドアタイプ
代表的なタイプとしてホシザキさんのJWE-450RUBがあります。たとえば今使っている120巾の2層シンクを60巾の1層シンクに取り換えて空いたスペースにこの小型ドアタイプの食器洗浄を設置すればそれほど場所をとりません。400タイプのアンダーカウンターなどと同じくホシザキさんのベストセラーの食器洗浄機です。


ドアタイプ
ドアを上部にガバっと持ち上げてラックをスライドさせて出し入れができるため大皿を使用するレストランなどに使われています。ホシザキさんだとJWE-680Bが代表的なタイプです。大型店舗向きで普通の飲食店ではあまり見かけないタイプです。


ラックコンベアタイプ
工場や給食センターなどで使われる大量の食器を洗浄するタイプです。一般的な飲食店には使われません。
故障のもっとも多い箇所は?
業務用食器洗浄機でもっとも故障が多いのはポンプ類の水漏れです。メカニカルシールといって接続部分のゴムが劣化して水漏れを起こすものです。この部分は消耗品と考えていい部分でメーカーの取扱説明書にも「1年に1回は必ず点検する」ことを注意喚起しています。だいたい5~6年で交換時期が来るので注意してください。メーカーによるともっと短い期間で劣化することもあるそうです。
また業務用食器洗浄機の洗剤は液体の強アルカリ洗剤が使われますが固形洗剤を使っている場合センサーなどに洗剤が付着して故障の原因になりこともあるそうです。
意外な故障
意外な故障に業務用食器洗浄機の「漏電」があります。水を使用する機械で当然いろいろなところで防水対策はされていますが意外に業務用食器洗浄機の下部はカバーされておらず営業終了後の厨房の洗浄などでジャージャーと洗浄機の下部に向けて水を流すと跳ね返った水が内部に侵入して漏電を起こすそうです。漏電の場合、漏電している場所の特定はかなり難しくなるので気を付けた方がいいかと思います。
洗浄羽根の取り付け
メーカーによると業務用食器洗浄機の中の洗浄羽根を分解して掃除をした場合ときどき羽根が逆に取り付けられていることがあるそうです。そうなると洗浄にも問題が生じますので取り付けは慎重に行う必要があります。
給湯器
基本的に業務用食器洗浄機の場合は専用の給湯器が必要です。忙しい場合、連続的に洗浄機が動いていると給湯が間に合わないことが出てきますが業務用食器洗浄機は温度が低くても動作するのでやはり洗浄に問題が生じてきます。
メンテナンス
業務用食器洗浄機はスチームコンベクションに比べれば故障はそれほどでもないそうです。ただ取扱説明書にも記されていますが1日の営業終了後には水を抜いてタンク内の中を洗浄するようにしてください。水の入れ替えをしておかないとタンク内の汚れがセンサーに付着して故障の原因となります。
また業務用食器洗浄機は80℃の湯気がドアを開けると出るので換気が必要です。換気をしないとカビの発生の原因になります。もちろんフードがあるのが理想です。
ガスタイプは当然換気扇が必要です。
ポイント
業務用食器洗浄機を選ぶときのポイントはやはりメーカーの迅速な対応になります。修理依頼をして何日もかかってしまっては営業に差し支えます。メーカーによっては店舗登録や保守契約をしていないと修理してくれないところもあります。メンテナンス技術者によると1番対応が早いのはホシザキさんだそうです。やはり中古でもなんでも自社の製品にはちゃんとメンテナンスを心がけてくれるというメーカーが選ばれることになります。